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【GPT机翻】战国小町苦劳谭 (戦国小町苦労譚)- 114 [千五百七十四年 一月下旬]-今日关注

时间:2023-04-17 01:10:58    来源:哔哩哔哩    

书名 战国小町苦劳谭

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(相关资料图)

作者: 夹竹桃

原作:http://ncode.syosetu.com/n8406bm/

翻译工具:ChatGPT

*机器输出的翻译结果UP未做任何修正,仅供试阅。标题章节号为原翻译版的顺延。*

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千五百七十四年 一月下旬(*原文网页序列号 - 131)

織田軍による軍事支援を断る。その申し出の意図を静子は考えた。

拒绝织田军的军事支援。静子思考了这项提议的意图。

「こちらから願い出ておきながら、何を虫の良い話をと、お考えかと存じます。なれど、このままでは長宗我部(ちょうそかべ)が四国の覇者である意味がございませぬ。織田様が偶然声を掛けたのが長宗我部であり、そこに必然性はなく、誰でも良かったとなり申す」

"你们提出要求,却为什么却拖拖拉拉的?这是什么让你们生病的消息?顺带一提,长宗我部不是四国霸主的必然结果。织田先生只是碰巧找到了他们,没有必然性。任何人都行。”

池の表情には苦渋が浮かんでいた。事実その通りであり、四国を治めるに足る器量があれば、信長は長宗我部に固執しないだろう。

池苦涩地看着,事实如此,如果长宗我部有能力统治四国,信长就不会钦点长宗我部。

「無論、長宗我部でなくてはならぬと思い上がる程、現実が見えない訳ではござりませぬ。なれど四国を統治するにあたり、侮られたままでは支障がございます」

“当然,如果他们认为只有长宗我部才能担任这个角色,那么他们就没有看到现实。但忽视长宗我部统治四国会造成支持上的负担。”

静子が推測するまでも無く、池自身が理由を語った。なるほど、尤もな話だと静子は思う。

没有必要让静子推测,池自己解释了原因。静子认为这是一个正义的话题。

現状、九鬼水軍の活躍ばかりが取り沙汰され、長宗我部の存在感を示せていない。このまま推移すれば、織田軍が長宗我部に四国を統一させた(・・・・・・・・)と、誰もが思うことだろう。

目前,只有九鬼舰队的活跃被报道,长宗我部没有展示出存在感。如果这种情况继续下去,織田军将统一四国,长宗我部会被认为是帮凶。

「お考えは得心がゆきました。それならば、直接上様に奏上されるが筋かと存じます。三好の一件でご立腹ではありますが、然るべき道理があるならば、きっとお聞き入れ下さるでしょう」

“你的提议已经被理解了。如果这是个有道理的命令,你应该直接奏上去。信长可能仍然恼怒于三好的问题,但如果有充分的理由,他一定会听取的。”

「え……ええ。それは重々承知しておりますが……その……」

“嗯……好的。我很清楚这一点……但是……”

信長への奏上を促すと、池は途端に歯切れが悪くなった。

当池被促使向信长提出奏上时,他的口气变得有点犹豫。

彼の態度を見て、静子には思うところがあった。勝ち筋が見えてから、自分達にも活躍の場が欲しいと申し出るのは確かに虫の良い話である。

静子在他的态度上看到了一些东西。一旦他们看到了获胜的机会,他们就会提出类似于让我们也秀一下的要求,这显然是一种虚假的建议。

最終的には四国の安寧に繋がり、織田にも利があることながら、この提案をすることは信長の逆鱗に触れうると危惧しているのだ。

尽管最终结果会对四国的安宁和织田也有好处,但他们提出这个提议会触怒信长,这是他们所担心的。

下手に信長の神経を逆なでして、長宗我部諸共に滅ぼしてしまえとなれば目も当てられない。

如果冒昧地触怒信长,那么不仅是长宗我部,他们也可能面临毁灭。

そこで信長自身が一目も二目も置く、静子に間に立って執り成して欲しいと願い出ているのだと、静子は察した。

大营中有好几个人都担心这件事情,所以信长亲自找到静子希望她能够协调这个问题,静子一听立刻明白了他的意思。

(上様は感情的にはなるけれど、感情のままに決定を下すことは稀なのに……まあ、この辺の機微は付き合いが無いと判らないよね)

即使上方会情绪化,但下决定时不会受情绪左右……嗯,这些微妙的细节如果没有亲密交往是看不出来的。

それに九鬼水軍にとっての実戦経験は、十分に積めたと静子は判断した。

而且,九鬼水军在实战中的经验已经足够了,静子认为。

一気に引き上げて逆転されても堪らないから、段階的に引き上げ、本来の目的で運用を始めても良い頃合いだとも思った。

他们不能冒险突然撤退,因为那样会被对手逆转局面。静子认为现在是逐步撤退、开始使用原来的计划的好时机。

しかし、方針を転換するに十分な理由がない。何よりも未だ三好は健在であり、信長の意向を果たせていないことがネックとなる。

但是,没有足够的理由来更改计划。最重要的是三好仍然活着,这是实现信长意愿的难点。

「ふーむ。上様を説得するとなれば、それなりの根拠が必要となります。5年……いえ、3年で三好を滅ぼせますか?」

“嗯。如果我们要说服上级,就需要一定的证据。你能在5年内……不,3年内消灭三好吗?”

「3年! いえ……これが出来ぬようでは、遠からず織田様も我らをお見限りになりましょう。必ずや滅ぼしてご覧に入れます」

"3年!……如果这做不到,織田大人将会与我们断绝关系。我们一定会让他们见识到我们的能力。”

「(これが絶対条件って訳じゃないけど、先方にはそれぐらいの心積もりでいて貰う方が良いよね)わかりました。そう言うことならば、私から上様へ執り成しましょう。暫し時間を貰いますが、構いませんね?」

“(虽然这不是绝对必要的条件,但对方最好有这样的想法)我明白了。那我会为此找到上级。可以给我一点时间来考虑吗?”

「はい。この件については明智様のご支援もございます。即座に決断して頂こうなどとは、毛頭考えておりませぬ」

“是的。关于这个问题,明智先生也会支持我们。我们绝不会仓促决定。”

池が漏らした言葉から、静子は誰が絵を描いているのかを理解した。元より長宗我部は光秀の影響下にあった。しかし、今回の一件によって勢力図は大きく塗り替えられた。

静子从池漏的话中理解了谁在画画。长宗我部一直在受光秀的影响。然而,这次事情彻底改变了势力格局。

この申し出を契機に再び光秀の影響力は強くなる。織田にも良し、長宗我部にも良し、静子にとっても益がある。当然光秀の利は言うに及ばない。

静子在这个提议的机会下,光秀的影响力再次增强。这对織田有利,对长宗我部有利,对静子也有好处。当然,光秀也会从中受益。

流石は智将と名高い明智光秀。上手く利害を調整してみせるものだと、静子は感心さえしていた。

确实是众所周知的智将明智光秀。他真的很擅长协调利益,让静子也感到很钦佩。

(乗り気に見えたのが誤解を招いたのかな? 四国が統一されるなら、誰が治めても私は構わないんだけど)

(看起来有兴致可能引起了误解吗?如果四国统一,谁治理我都无所谓,)

静子としては四国の土地に、巨大な果樹栽培地帯(ベルト)を見出していた。

对于静子来说,她在四国的土地上发现了一个巨大的果树种植区(带)。

四国は中央を東西に四国山脈が横たわり、そこを境に北部と南部では大きく気候が異なる。古くから干害に陥りやすく、水耕栽培をするには向いていないが、日当たりの良い山地に排水の良い土壌を好む果樹を植樹し、日ノ本の需要を賄う計画を立てていた。

四国中央是横跨东西的四国山脉,北部和南部的气候有很大的差异,历史上易遭受干旱,不适宜水栽培,但计划在日本的需求下,在阳光充足的山地种植喜欢有良好排水的果树。

静子としては史実通り、愛媛県でミカンなどの柑橘類を栽培し、香川県ではオリーブを育て、平野部では米ほど水を必要としない、小麦を育てるつもりで色々と手配していたのだ。

静子像史实中一样在爱媛县种植柑橘类水果,如橘子,在香川县种植橄榄,而在平原上种植不需要像水稻那样需要大量水的小麦。

珍しく静子が支配地に色気を出したため、光秀としても警戒をしてしまったという背景が存在した。

齐心协力,实现各自的不同未来,静子不寻常地展现了支配区域的魅力,因此光秀也开始提高警惕。

光秀は、この話を取り持つことで長宗我部への影響力を確保し、静子に他意が無い事も確認できる。

通过介入这个话题,光秀确认了对长宗我部的影响力,并确认了静子没有其他意图。

静子としても光秀が手綱を握ってくれるなら、準備が無駄にならずに済むため望む処と言えた。

如果光秀掌控了局面,静子将不会浪费准备时间,因此她希望光秀把握大局。

それぞれに異なる未来を見据えつつも、利害が一致したため、円満に話が纏まった。

尽管看向不同的未来,但由于利益一致,会谈顺利结束。

全員の合意が得られたところで、池は静子、光秀双方に深々と頭を下げて退出した。光秀が中座しないところを見ると、まだ用があるのだと察して静子は内心うんざりしていた。

在所有人都达成共识之后,池谦虚地向静子和光秀鞠躬道别。看到光秀没有离开,静子心里有些不耐烦,意识到他还有事要说。

強引に中座しても良かったのだが、次に向かう先が秀吉であるため、痛くもない腹を探られるのも堪らないと我慢することにした。

虽然他可以继续占用场子,但下一个目标是秀吉,如果他被人发现根本没有事情要办,那就糟糕了,所以她决定忍耐。

「厄介なお話を持ち込み、申し訳ありません。とは言え、静子殿にしか出来ぬことゆえ、何卒お願い申し上げまする。処で話は変わりますが、珠はご迷惑になっておりませんでしょうか?」

“真是一个麻烦的话题,我很抱歉。但是,这是只有静子能做到的事情,因此请您给我们帮助。话题转变了,珠子有没有给您添麻烦?”

「珠ちゃんですか? この頃は仕事も覚えて、手が掛からなくなり、元気に仕事をしていると聞いております」

「你是珠吗?我听说你现在也学会做工作了,不需要太多的照顾,并且精神也很好地工作。」

「それは重畳。珠から届く文には、やれ珍しい動物を見ただの、美しい彩色が為された玻璃(はり)を見ただのと……お勤めを果たしているのか甚(はなは)だ不安な内容ばかりで……」

「那是很重要的。从珠那里来的信里,只有关于看到珍奇的动物和看到美丽的玻璃(Haru),以及我非常担心她是否能履行她的工作...」

静子の返答に光秀は胸を撫で下ろす。珠から届いた文では近況すら分からず不安を覚え、こうして訊ねるに及んだと静子は察した。

在静子的回答中,光秀摸了一下他的胸口。他从珠那里收到的信中没有近况,只有不安,静子一定是意识到了这一点,并问到这一点。

(武将とは言っても人の親。やっぱり我が子のことは気になるのね)

(尽管是武将,但也是人的亲戚。毕竟是自己的孩子,所以他很在意。)

世間では織田家の出世頭と名高い光秀も、我が子のこととなれば親の表情を見せる。体面もあるのだろうが、意外に情に厚い人柄なのだと静子は思った。

一般认为是織田家的出色人才,光秀却因儿子而露出了父亲的表情。虽然他也很在意形象,但静子认为他的感情很丰富。

その後、珠の近況について静子の知りうる範囲で二、三話をすると、光秀は安心して席を立った。

之后,静子在她所知道的范围内谈了两三句关于珠的近况,光秀放心地离开了。

気が付けばかなりの時間が経過しており、静子は秀吉から先触れ不要と聞いていたため、その足で彼の許へと向かった。

不知不觉地时间过去了很长时间,静子听说秀吉已经不需要预备金了,所以她走向他的住处。

しかし、折り悪く近江から緊急の連絡が届き、秀吉は竹中半兵衛を伴って岐阜を発ったとのことだった。会見は延期かなと静子は思ったが、名代として残っていた秀長と会う事になった。

然而,紧急连线从近江传来,秀吉和竹中半兵卫离开了岐阜。静子认为会面被推迟了,但她决定见代表秀长。

「まずは、お呼び立てしておきながら席を外す無作法をお詫び致します。改めまして今浜(いまはま)(長浜(ながはま)の旧名。秀吉が移り住んだ後、長浜とした)での築城にご助力賜り、兄上に代わってお礼申し上げまする」

「首先,我要对您提前召唤我并离开我的无礼表示歉意。再次感谢您在今浜(以前是长浜)的建城方面的支持,请代替我的哥哥表示感谢。」

秀長は静子に対して謝意を伝えると共に、深々と頭を下げて感謝を示した。釣られて静子も頭を下げる。

秀长向静子表达了感激之情,并深深地鞠了一躬。静子也跟着鞠躬。

「いえ、順調のようで安心致しました」

「不用担心,听说现在很顺利。」

「工房街の普請を地元民に任せて頂いたことを、兄上は殊の外喜んでおり申した。今年の冬は飢える民が居なくなると」

「据说兄长很高兴能够把工坊街区的建设交给当地人。今年冬天,不再有饥饿的居民了。」

「土地勘のある地元の方(かた)を雇う方が、合理的ですから」

「雇佣当地有土地了解的人更为合理」

秀長から丁重に礼を述べられ、静子は少し面食らった。

秀长向静子表示感谢,静子有点吃惊。

普請とは、普(あまね)く請(こ)うと言う文字通り、社会基盤を地域住民で造り、維持していくことを指す。

普請是指由当地居民建造和维护社会基础设施的意思。

ここで静子が行ったのは長浜の地に、一大ガラス工房地帯を造り上げる事であった。

静子在此地建造一大片玻璃工坊区。

尾張で始まったガラス製品作りだが、次第に尾張では手狭となって来ていた。職人も増え、規模を拡大したいのだが、静子の領地は周囲を農地に囲まれ、用地の確保が難しい。

玻璃制品起源于尾張,但尾張地区已经变得狭小。工匠数量增加,想要扩大规模,但静子的领地周围都是农田,用地很难保证。

元々は実験的に小規模で始まった産業だが、技術が確立した今となっては採算性の高い優れた産業に成長していた。

最初是小规模试验性产业,现在技术已经确立,成为一项高利润的优秀产业。

往々にして製造業と言うのは生活様式が特異なため、居住区からは隔離し、集中させた方が効率も良い。静子はどこかに広大な土地を確保できないものかと、思いあぐねていたところ、手を挙げたのが秀吉であった。

由于制造业通常有一种独特的生活方式,因此隔离并集中在居住区域更有效率。静子一直在寻找一个庞大的土地,但秀吉挺身而出。

秀吉は、新たな所領の主要な街道沿いの一等地を確保し、ガラス工房の誘致を願い出た。

秀吉在新的领地保留了主要道路旁的一处黄金地段,希望能吸引玻璃工坊进驻。

今浜の地は交通の要衝であり、都である京にもほど近く、奢侈(しゃし)品(贅沢品)と見做されるガラス製品の生産地とするには好立地であると言えた。

今滨地区是交通枢纽,离京都很近,是生产奢侈品玻璃制品的理想地点。

「尾張切子(きりこ)の酒杯は帝もご愛用の品とのこと、いずれは今浜の地から贈られることになると思えば、感慨もひとしおですな」

「据说帝国甚至喜欢尾張切子酒杯,这也将会从今滨地区赠送过来,这引起了我的共鸣」

「それはどうでしょう? 帝への献上品は、品評会で最上と評された物です。私の職人たちも、そう易々とはその栄誉を譲らないと思いますよ?」

「那还不一定吧?向天皇献上品时应该是经过评选为最高的产品。我的工匠们也不会轻易放弃这种荣誉。」

普段強く主張しない静子が、珍しく自負を滲ませた。自身の進退を賭けて育んだ産業だけに、思い入れも強いのだろう。

平时不怎么强调自己的静子,这次突然表现了一些自信。毕竟,这是她赌上自己前途的产业,她也有非常深的感情。

「しかし、それほどの産業を今浜の地に移して宜しいのですか?」

“但是,把这样的产业搬到今滨合适吗?”

「尾張の工房が一番と思ってはいますが、ガラス産業が広まること自体は大歓迎ですよ」

“我认为尾張的工坊是最好的,但扩大玻璃产业本身是非常受欢迎的。”

「ははは、ご謙遜を。富を身内で独占してしまうのが人の常。広く民草に富を分け与える者は少ない。そうすることが巡り巡って自分に帰ってくると理解していてもなお、難しい。さて、あまり長話も出来ませぬ。兄上より託された言葉をお伝え致します」

“哈哈哈,您太客气了。私藏财富是人类的常态。很少有人会把财富广泛地分赠给人群。即使知道这样做最终会回到自己,也很难。好的,话不多说了。我要告诉您我兄长交待的话。”

「は、はい」

“嗯,好的。”

「今浜はガラスと絹の生産地として開発を進める。しかし、どちらも必需品ではないため、先行きの見通しに不安がある。そこで、これだけは今浜にしかないというものが欲しい。と仰せです」

“今滨会发展成为玻璃和丝绸生产地。但是,由于它们都不是必需品,因此未来的前景令人担忧。因此,他说需要这个地方独有的特产。”

「なるほど」

“明白了。”

秀吉の相談とは『長浜に特産品を造りたい』であった。確かに長浜を含む近江は、平安時代の記録にも残るほど上質な絹糸や、絹織物の産地として知られていた。

秀吉的咨询是关于“在长滨制造特产品”。确实,近江包括长滨在内,作为精美的丝绸线或丝绸织物的产地,已经出现在平安时代的记录中。

しかし、今となってはそれも過去の栄光に過ぎない。近江が産出する絹製品が上質であっても生産量が振るわず、度重なる戦乱によって技術者や職人を失っていた。

但是,现在这也只是过去的辉煌。即使近江的丝绸制品质量很高,生产量也不能引人注目,技术人员和工匠也因经常性的战乱而失去了。

一口に特産品と言っても即座に作れるものではない。当面は米の生産量を増やすことに注力し、特産品を生み出す土台を作り上げねばならない。しかし、長浜での稲作には一つの課題が存在した。

一种特产并非立即制造而成。在短期内,我们必须集中精力增加米的生产,并建立生产特产的基础。但是,在长滨的稻作中存在一个问题。

後世の話になるが、近江の地では水害が多発した。姉川や高時川が氾濫したり、これは南部での話になるが田上(たなかみ)山が原因で瀬田川が氾濫したりもした。

就是后来的事了,近江这个地方经常发生水害。姐川和高时川经常发生洪水,这是与南部的田上山有关,企图以田上山提供的高质量木材来修建一些东西,最终导致瀬田川泛滥。

良質の木材を提供し続けた田上山も、江戸期には『田上の禿(はげ)』として全国的に名高い禿山地帯となった。

一直提供优质木材的田上山,到江户时代已经成为享誉全国的脆弱山区之一,被称为“田上的禿山”。

一度(ひとたび)雨が降れば、大量の土砂が瀬田川に流れ込み、下流域の集落が移転する程の被害を出した。

一旦下雨,大量泥石流就会流进瀬田川,造成下游地区的村庄需要迁移的损失。

明治期になると本格的な治水工事が政府主導で行われ、その時に出来たのが有名な『オランダ堰堤(えんてい)』である。

明治时期政府进行了全面的治水工程,著名的"荷兰堤"也在此时建成。

「近江は水害が多く、それゆえ治水工事を優先する必要があります。治水となれば、いくつか技術を提供できるかと」

"近江地区水灾频繁,因此需要优先进行治水工程。如果治水,可能提供一些技术。"

「おお! それは心強い。表立っては申しませぬが、如何に都に近くとも収入が安定している尾張・美濃地方に領地をと願う家臣もおりまする。水害に対策出来るとなると、近江の水利は素晴らしい魅力となりましょう」

"哦!这太令人欣慰了。虽然不会公开说,但是也有家臣希望能获得领地,即使与都市接近,也希望能有稳定的收入。如果能对抗水灾,近江的水利将成为巨大的吸引力。"

この時代の日ノ本に於いて、経済の中心地は尾張である。物流の面では堺に一歩譲るとは言え、いずれ日ノ本の玄関口を担う可能性は十分にあった。

在此时期的日本,尾張是经济中心地。虽然在物流方面让步于堺,但仍有可能成为日本的门户。

そこから遠く離れた近江の地であり、領民は織田家一党に良い感情を持っていない。それを考慮すれば、秀吉の家臣たちがもろ手を挙げて歓迎しないのも納得できる。

近江地区远离中心地带,领民对織田家并不怀有好感。考虑到这一点,可以理解为什么秀吉的家臣们不会全力欢迎他。

秀吉が相談を持ち掛けたのも、長浜の将来性を示さねば家臣がついてこないと判断したからだろう。

秀吉请教家臣们的原因是为了展示长滩的未来前景,以便家臣们跟随。

「詳細については、兄上が落ち着き次第、本人が静子様を訪ねますのでその折にお願い致します。まずは前向きにご検討頂けるとの回答のみを頂戴いたします」

"有关详细情况,等长兄稳定下来之后,本人会去拜访静子小姐,请在那时候考虑。希望能得到您积极的回答。"

「承知しました」

"我了解了。"

これを以て秀長との会談は終了した。秀長は秀吉から託された用件を伝えた上で、静子の協力を取り付けることができ、上機嫌で帰途に就いた。

与秀长的会谈至此结束。秀长传达了秀吉的委托,取得了静子的合作,并心情愉快地回去了。

(治水と言えば、領主の器量が問われる分野。何の見返りも無く提供すると言ってのけるとは……彼女の権勢はそれほどに及んでいるのでしょうか? 彼女は、米こそが力であり、金や権力の根源にあるという考えを持っていないのかもしれませんね)

(治水领域需要领主的胸怀。她豁出去免费提供,难道她的权力已经到了如此程度?也许她认为,米才是力量、金钱和权力的根源呢。)

同じく信長という主君を抱くとは言え、静子と秀吉の関係は現代風にたとえるなら、グループ会社内の競合他社である。

虽然都是信长的主人,但静子与秀吉的关系,如果用现代的说法,就像集团内的竞争公司一样。

全グループを挙げて取り組んでいる主力商品『米』に関する技術を分け与えるということは、自らのアドバンテージを捨てることに他ならない。

将主力商品“米”的技术分享给整个集团,就等于放弃自己的优势。

それにも関わらず、静子は技術供与を了承した。彼女は言わば『米本位制度』から脱却し、遥か遠い未来を見据えているように思えた。

尽管如此,静子仍然同意了技术的分享。她似乎想要摆脱“米本位制度”,展望遥远的未来。

(彼女の思惑がどうであれ、兄上が今浜へと移れば、これまでのような付き合いは望むべくもない。今は将来に繋がる布石を打てたことで満足し、これが後々兄上に利益を齎すことを期待しましょう)

(无论她的想法是什么,如果兄长现在移到今浜,像以前那样相处是不可能的。现在应该对为未来铺下的布局感到满意,期待这将为兄长带来利益。)

焦る必要はない。不用意に静子との距離を縮めれば、それは周囲の警戒を掻き立てる。

不需要着急。不适当地缩小与静子之间的距离会引起周围的警惕。

秀長は機が熟していないのを理解しているからこそ、次に繋がる一手を打てただけで引き下がった。

秀长理解时机还不成熟,所以只是打了一手下一步的棋就退了。

(無理に近づこうとすれば、こちらも手の内を晒すことになります。彼女が取るに足らないと考えているものですら、我らには珠玉(しゅぎょく)の意味を持つ。静かに、ゆっくりと掠め取る。ふむ……悪くありませんね)

(如果我们强行靠近,也会暴露自己的底牌。即使她认为不值得一提的东西,在我们的手中也能成为珠玉。悄悄地,慢慢地带走。嗯...不错。)

こうした工作もなかなかに面白い。そう考えた秀長は、無意識に声に出して笑っていた。警護の兵たちが首を傾げるが、彼がそれに答えることは無かった。

这样的工作有点有趣。秀长无意中笑出声。警卫没能明白,但他没有回应。

静子が信長に、長宗我部の件を報告しようと謁見を申し込んだところ、予想よりも早く承諾の返事が届いた。嫌な予感を覚えつつも、静子は信長との謁見に臨んだ。

静子向信长报告了长宗我部的事情,请求会见。比预想中更早,信长回复了同意的消息。尽管有不好的预感,静子还是前往与信长会晤。

「暦(こよみ)、ですか」

“你说这个是历法吗?”

「うむ。これまでの暦を廃し、新しい暦を制定する。新たに広める暦には、貴様が今まで用いてきた暦を使おうと思っておる」

“嗯。废除以前的历法,制定新的历法。在新的广泛使用的历法中,我打算使用你以前使用过的历法。”

暦を制定するという事は、度量衡の統一と並ぶ天下人の仕事である。日本では古くから太陰暦が使用され、明治六年に太陽暦へと変わるまで、実に様々な暦が使用されていた。

制定历法是天下人工作中与度量衡并列的事情。日本自古以来一直使用阴阳历,在明治六年改为太阳历之前,实际上使用了许多不同的历法。

「一年を365日と3刻(6時間)に定め、12ヶ月を以て一年とし、奇数月を31日、偶数月を30日とする。2月を閏(うるう)年の調整月とし、平年(へいねん)は29日。閏年(うるうどし)では30日として扱うとした暦でしょうか?」

「将一年定为365天3刻(6小时),以12个月为一年,奇数月为31天,偶数月为30天。将2月作为闰年的调整月,平年为29天,闰年为30天。这是一个采用这种日历的假设吗?」

「そうじゃ。一日を24時間とし、一時間を60の分に分け、更に一分を60の秒とするだったか? 随分とややこしいと思うたが、貴様が毎年報告してくる年間の温度傾向や作付けと収量の資料を見て、その有用性を理解した」

「是的。一天有24小时,一小时分为60分钟,一分钟再分为60秒。虽然这样有点复杂,但我看了你每年报告的温度趋势、种植和收成的数据,理解了它的有用性。」

太陰暦とは月の運行を強く意識した暦であり、日付と月の見かけの形が一致する。従って月さえ出ていれば、その日が何日であるか暦が無くても求められる。

太阴历是一种非常重视月亮运行的日历,日期和月份的实际形状相一致。因此,即使没有日历,只要有月亮就可以确定日期。

しかし、太陰暦では実際の季節と日付がどんどんずれて行ってしまい、日付と連動した季節ごとの現象を期待する近代農法とは相性が悪い。

然而,在太阴历中,实际季节和日期逐渐背离,与日期相对应的季节现象不适用于现代农业。

そこで静子はグレゴリオ暦を基準に、独自の暦として整理した。平年を365日とする関係上、単純に奇数月を31日、偶数月を30日としていたのでは一年が366日となってしまう。

因此,静子以格利高里历为基础,整理出了自己的日历。由于平年有365天,如果简单地将奇数月设为31天,偶数月设为30天,则一年将达到366天。

そこで現代の暦法と同様に、2月を29日とし、400年に97回の閏年を設ける方式を採用した。

因此,采用与现代日历法同样的方式,将二月份设为29天,并设置了400年中97个闰年。

何故、2月を一日減らしたかについては、先人が2月と定め、それが通用している以上、なんらかの意味があると考えたからだ。

之所以将2月份减少一天,是因为先人将其定为2月,而且这一月份一直使用,因此认为必须有某种意义。

「農業にとって都合が良いので使っておりますが、アレを正式の物として良いのでしょうか?」

「虽然这个日历对农业很方便,但能认为它是正式的吗?」

あくまでも農業をする上で、毎年同じ日付頃に同じ作業をすることを意識付けるために導入したものだった。それを信長は日本全土で使用する基本の暦として制定すると言っていた。

这个日历的初衷是为了在耕种过程中,让人们能够在每年的同一时期开展相同的工作,是为了意识到这一点而推出的。信长曾表示,这是日本全国使用的基本日历。

実際に歴史の選別に耐えたグレゴリオ暦ではなく、独自に手を入れているため不安になるのも当然だった。

这不是历史上经得起考验的格利高里历,因为采用了独特的方法进行处理,所以会感到不安是很自然的事情。

「何も問題なかろう。農業は国の礎よ。日付と季節が一致すれば、閏月などと言う煩わしいものも必要ない。無論、急激な変革は混乱を齎すゆえ、暫くは旧来の暦と併用することになろうがな」

「没问题。农业是国家的基石。只要日期和季节一致,就不需要诸如闰月之类的麻烦事。当然,突然的改革会带来混乱,因此可能暂时与旧历法同时使用。」

既に信長の中では決定事項となっていた。こうなると静子が何を言おうと、今以上の利を示さない限り、彼は前言を覆さない。

这已经成为了信长的决定事项。在这种情况下,无论静子说什么,他都不会改变前言,除非能展示比现在更多的收益。

静子は翻意を促すことを諦めると、使用していて不具合が見つかれば適宜修正する方針へと切り替えることにした。

静子放弃了劝说他改变主意,决定将注意力转向在使用过程中发现问题就适时修正的方针。

「さて、わしの用事は済んだ。貴様の用件はなんだ?」

「好了,我的事情办完了。你有什么事吗?」

「はい。四国統一に目処が付きましたゆえ、九鬼水軍を長宗我部から離し、海上封鎖の任務に就かせたいと具申致します」

「是的。由于四国已经统一了,我要请求将九鬼水军从长宗我部那里分离出来,担任海上封锁任务。」

「ほう……その狙いは何処にある?」

「哦……你的目的是什么?」

信長の視線が鋭くなった。静子と池との会話を知らずとも、光秀や長宗我部の思惑は察している。その上で、静子が何を言うのか見定めようとしているのが理解出来た。

信长的目光变得锐利起来。即使不知道静子和池之间的对话,他也可以察觉到光秀和长宗我部的心思。然后,他试图了解静子说了什么。

「国人にも寺社勢力にも属さぬ鉄砲傭兵集団・雑賀(さいが)衆への対策に用います。雑賀衆の多くは小勢力の集団ですが、雑賀孫市が率いる雑賀党、太田定久(おおたさだひさ)が率いる太田党の二大在地領主の勢力は無視できません。彼らに対して飴と鞭による離間工作を仕掛けようと思います。太田党には調略を含めた飴を与え、雑賀党に対しては海上封鎖と言う鞭を振るいます」

「将用于应对既不属于国人,也不属于寺社势力的火枪佣兵集团——雑贺衆。尽管雑贺衆的大多数都是小势力集团,但雑贺孙市率领的雑贺党和太田定久率领的太田党这两大当地领主的势力是不可忽视的。我们将使用糖和鞭对付他们。对太田党,我们将给予包含策略在内的糖,对雑贺党,我们将实施海上封锁这一鞭。」

「そのような搦め手を講じずとも、一気に攻め滅ぼすと言う手も取れよう。それをせぬ理由はなんだ?」

「即使不采取这种缠斗的方式,一举攻击并消灭他们也是可行的。不这样做的理由是什么?」

「現状の軍事力を考えれば、その策も取り得ますが、得策とは言えません。あの地域には雑賀衆の他にも高野山、粉河寺(こかわでら)衆、熊野三山、根来寺(ねごろじ)衆の五勢力が互いに睨み合っております。こういった地域に突出した新勢力が発生すると、彼らは外敵を排除するため手を結び、織田家とて無視できない巨大勢力を形成するでしょう。ただでさえ、地の利もない上に厄介な雑賀衆を相手にするのです。他の勢力まで参戦してきては、徒(いたずら)に兵力を消耗致します。雑賀衆のみを狙い撃ち、各個撃破を図るのが得策と言えます」

考虑到当前的军事力量,这个策略是可行的,但并不是最好的策略。除了众多的雑贺衆之外,那个地区还有高野山、粉河寺衆、熊野三山和根来寺衆等五个势力正在相互对峙。如果在这样的地区出现了突出的新势力,他们将联手排除外敌,形成一个織田家无法忽视的巨大力量。已经很麻烦了,再与雑贺衆这样的势力交手,还会牵扯其他势力的参战,这样只会白白浪费军队的力量。因此,最好的策略是单独瞄准雑贺衆,依次击破他们。

「ふむ」

嗯。

「本願寺に与(くみ)する雑賀衆とは言え、中でも明確に織田家に敵対姿勢を示す雑賀党には海上封鎖を行い、彼らの資金源たる海運や貿易を阻みます。一方、根来寺衆に近い太田党には、彼らを通じて利益を与え優遇します。同勢力内で明確に均衡が崩れれば、内部抗争へと発展する可能性は高いと考えます」

尽管他们是与本願寺相连结的雑贺衆,但雑贺党明确地表现出对織田家的敌对态度,因此要对他们进行海上封锁,阻碍他们的资金来源——海上运输和贸易。另一方面,对于与根来寺衆接近的太田党,应该通过他们对他们给予优惠和支持。如果同一势力内部出现明显的不均衡,可能会发展成内部纠纷。

「その為に九鬼水軍を使いたいと申すのか?」

你是要利用九鬼水军吗?

「雑賀党とて海運や貿易を手掛ける以上、独自の水軍を擁しています。彼らと戦って勝利を掴み、尚且つ長期間に亘って海上封鎖を実行するとなると九鬼水軍以外には為しえません。長宗我部も水軍を持っておりますが、現状そこまでの練度は期待できません」

尽管雑贺党处理海上运输和贸易,但如果要战胜他们并长期实施海上封锁,只有九鬼水军可以胜任。长宗我部也拥有水军,但目前的水平还不能令人期待。

「時期は」

时间是?

「近いうちに本願寺は我らとの和睦を破り、攻撃を仕掛けてくるでしょう。彼らの戦力を支えるのは毛利水軍、村上水軍、そして雑賀の水軍。これらが海上から人員と物資を輸送して支援を図るでしょう。しかし、既に九鬼水軍が布陣していたらどうなると思われますか?」

本願寺迟早会破坏与我们的和平,发起攻击。支援他们的战力是毛利水军、村上水军和雑贺水军。他们将通过海上运输输送人员和物资。但如果九鬼水军已经布署了,会怎样呢?

「ふ、ふははははっ!」

呵呵呵...

突如として信長が哄笑(こうしょう)する。突然のことに静子は戸惑うが、彼女の困惑など意にも介さず信長はひとしきり笑うと、彼女に声を掛けた。

突然之间,信长哈哈大笑。突然的情况让静子感到困惑,但信长并未在意她的困惑,笑完后便呼唤她。

「静子。貴様はいくさの本質を押さえておる」

“静子。你把战争的本质掌握住了。”

「え? いえ、お褒めにあずかり光栄です」

“啊?谢谢您夸奖。”

「いくさとは、直接刃や矢を交わすことのみにあらず。事前にどれだけの備えをしているか、それこそがいくさの根幹よ。家臣共は多くの兵を抱えれば良いと思い違いをしておるが、いくさを好まぬ貴様が一番本質を捉えているとは皮肉よの」

“战争不仅仅是交交叉叉地挥舞刀剑和箭矢。提前做好多少准备,这才是战争的关键。家臣们以为多拥有兵力就可以胜利,但你这个不喜欢战争的人却掌握了战争的本质,真是讽刺。”

そう語った信長は、笑みを浮かべつつ顎を撫でた。

说完这些,信长微笑着摩挲了下下巴。

「良かろう。九鬼水軍は貴様の思うようにせよ。長宗我部の思惑通りになるのも業腹だが、次なるいくさで優位を得ることの方が重要よ」

“好的。九鬼水军就按照你的想法来吧。虽然这样长宗我部的想法得到了满足,但重要的是在下一场战斗中获得优势。”

「は、ははっ」

“哈哈……”

信長の決定を耳にし、静子は胸を撫で下ろしつつ頭を下げた。これで長宗我部の面子を保ちつつ、織田家にとって価値のある一手を、敵に先んじて打つことが出来る。

听到信长的决定,静子松了口气,低头致谢。这样一来,既保住了长宗我部的威严,又在敌人之前采取了有价值的策略。

長期間、遠方の四国で戦闘行為を続けた九鬼水軍には十分に慰労する必要がある。装備の補給や改修も含めて、十分な報酬と休息を与え、次なる作戦に備えて貰うことにした。

九鬼水军在四国远征已经打了很长时间,应该好好表彰他们。他们需要得到足够的奖励和休息,以备下一次行动。

(予想以上にすんなり受け入れて貰えたなあ。長浜の特産品を考える時間が得られるね。うーん……長浜の特産品については、明(みん)から技術を継承した『ちりめん』織りが良いよね。確か『浜ちりめん』って呼ばれていたし……うん。それが良い)

(比预想中顺利地得到了他们的接受。现在就有时间考虑长滨的特产了。嗯……关于长滨的特产,继承了明朝技术的“绸缎”织物不错,好像叫做“浜绸缎”……嗯,这个不错。)

史実での『ちりめん』織りは、天正年間に渡来した明の職工が日本に伝えたとされている。

根据史实,“绸缎”织物是在天正年间由来自明朝的工匠带来并传播到日本的。

泉州堺に端を発した『ちりめん』織りは、その生産地を堺から京へ、京から丹後へと移していく。後に『浜ちりめん』と呼ばれる長浜での生産は、中村林助と乾庄九郎の二人が丹後から技術を学び、また丹後より職人を派遣して貰い、技術を定着させた。

起源于泉州堺的“绸缎”织造业扩展到堺市、京都和丹后地区。后来在长滨产生了被称为“滨绸缎”的生产。中村林助和干庄九郎两个人从丹后学习了技术,并向丹后派遣了工匠以巩固技术。

これは江戸時代中期のことであり、現時点では堺ですら広まっていない可能性が高かった。

这发生在江户中期,现在堺市甚至可能也没有广泛传播。

「朝廷より仰せつかった芸事の守護に、同僚の家臣達からの相談を受け、自身の領地も管理せねばならぬ。貴様はいつも大忙しだな」

“朝廷授予我芸业的保护,并收到同僚家臣的咨询。我还必须管理我的领土。 你总是很忙吧?”

「上様が日ノ本を統一なされた暁には、ゆっくりとお休みを頂戴いたします。それに私などには勿体ないほどの、優秀な家臣が支えてくれております」

“等到您统一日本之后,请您慢慢休息。而且我们有大量优秀的家臣支持着我。”

「確かに、貴様の家臣は優秀よな。信のおける家臣とは得難いもの。努々(ゆめゆめ)粗略(そりゃく)には扱わぬことだ」

“确实,您的家臣很优秀。忠诚可靠的家臣非常难找。不要粗鲁对待他们。”

「ははっ」

“哈哈哈”

「貴様の為に、わしに直談判さえしてみせた玄朗などは、わしの手駒に欲しいほどよ。貴様を妄信せぬところが実に良い」

“我为您完成了直接面谈的资格的玄朗,我希望他成为我的珍宝。您不被我妄信,这一点非常好。”

頭を下げる静子に、信長は笑いながら玄朗の名を挙げた。名字を得た玄朗の諱(いみな)は静興(しずおき)。彼の諱を定めるには紆余曲折があった。

小静子低头,信长笑着提到了玄朗。玄朗的諱为静兴。确立玄朗的諱经历了反复无常。

玄朗が諱を決めるにあたり、彼は主君である静子より一字を賜ることを願い出た。静子はこれを快く了承し、『静』の一字を与えた。

在确定玄朗的諱时,他向主人小静子请求赐予一个字。小静子欣然同意,并赠予了“静”这个字。

しかし、玄朗の立てた戦功は目覚ましく、信長より直々に『長』の一文字を賜る栄誉に与(あずか)った。慣例からすれば、静子の主君にあたる信長の一文字を優先する。

然而,玄朗的战功卓著,从信长亲自得到了赐予“长”字的荣耀。按传统来说,应优先考虑信长这位主人的一个字。

このように主君、あるいは高貴な身分の人から名前の内、一文字を与えられることを偏諱(へんき)と呼ぶ。

这是指从主君或贵族手中获得名字中的一个字被称为“偏諱”。

通常、偏諱では通字(とおりじ)とは異なる文字を与えられるが、稀に通字を与えられることもあった。

通常,偏爱的字与通字是不同的字,但偶尔也会给予通字。

通字とは、その家で代々に亘って用いられる文字を指し、信長で言えば『信』の文字となる。信長の父である信秀から信長へ、信長からは信忠へと代々引き継がれている。

通字是指在家族代代相传使用的字,比如信长的是“信”字。信长从他的父亲信秀那里,继承了信长,然后从信长到信忠。

偏諱のならいに従えば、複数の人間から名前を与えられることは無い。これは諱が、偏諱と通字で構成されているためである。

如果按照偏爱的规则,一个人不可能被多人赋予姓名。这是因为諱是由偏爱和通字组成的。

玄朗の場合、信長から頂いた『長』を上に据え、下に『信』や『静』、『子』などの主君の名を避けた通字を当てるのが相応しい。

在玄朗的情况下,根据信长给予的“长”字,在下面添加避免使用君主名称的通字,例如“信”、“静”和“子”。

しかし、玄朗としてはどうしても静子の偏諱を名乗りたかった。苦悩した末に玄朗が下した判断は、信長の偏諱をお返しすることであった。

但是,玄朗一定要使用静子的偏爱。在煎熬之后,玄朗做出了回馈信长偏爱的决定。

「某が今の身分を得られたのも、全ては静子様のお引き立てあってのこと。その静子様に対して偏諱を願い出ていながら、上様より名を賜ったからと乗り換えるような真似は出来ませぬ。某如きが上様よりの賜りものをお返しするのは、万死に値する非礼と存じておりまする。されど、この玄朗、一命を懸けてお願い致します。静子様の偏諱を名乗ることをお許し下され。どうしてもならぬと仰(おお)せなら、この首を上様に差し上げまする」

“我之所以能得到现在的地位,完全是静子夫人的帮助。虽然我请求了静子夫人的偏爱,但是我却接受了他所给予的名字,因为我不会像换车一样放弃。有可能吗?如果您不能保持它,那我将用我的头代替我本人。”

基本的に下賜されたものを突き返すというのは非常に失礼な行為となる。白装束に身を包み、信長に願い出た玄朗に対し、織田家の家臣達は散々に罵った。

基本上,拒绝接受所赐予的东西是一种非常失礼的行为。在白色的服装中,玄朗在居庸关请求了信长。但是,織田家的仆人们却非常反感这种请求。

しかし、万座の中で恥をかかされた本人の信長が呵々(かか)と大笑した。

然而,在嘲笑之中,信长却毫不在意。

「人は身分を得る程に、初心を忘れていく。しかし、この玄朗はどうじゃ! 一門の頭領となってなお、静子への恩義を忘れておらぬ。わしと静子へ筋を通すため、不興を買い、死を賜るのを覚悟で願い出る。その潔さ、まことに天晴(あっぱれ)!」

“当人们得到地位时,他们容易忘记初心。但是这个玄朗怎么样!即使成为一族之头,他仍然没有忘记静子夫人。为了与我和静子夫人联系,他冒着不满和死亡的风险来寻求。他的洁净,还是很值得称道的!”

この一言を以て沙汰が下された。信長が良いとした以上、周囲は異を唱えることは出来ない。

凭借这句话,决定已做出。既然信长说好了,周围的人就不能反对了。

これによって信長からの偏諱は無かったこととなり、玄朗は静興という諱を名乗ることとなった。

由此可知没有来自信长的偏袒,玄朗叫做静兴。

「皆の忠義に値する主君であるよう心がけます」

“将努力成为值得所有人忠诚的主人。”

伏したまま返答したため信長も静子本人も気付かなかったが、静子は誇らしげな表情を浮かべていた。

静子回答时躺着,信长和静子本人都没有注意到,但静子的表情令人感到骄傲。

帰宅した静子は大急ぎで暦を文書へと落とし込みにかかった。信長が案を採用するということは、ひいては世間に公表できる草案を出せという意味だと静子は察した。

回到家后,静子急忙把日历转化为文档。 静子意识到,如果信长采用这个想法,那么需要推出可以公开的草案。

信長自身は明言していないが、静子に命じた以上、成果には相応の報酬が支払われる。地味な仕事だが、信長の治世を支える土台となるため、決して疎かには出来ない。

尽管信长本人没有明说,但由于他命令静子,相应的报酬也将支付。这项工作虽然平凡,但对于支持信长的统治,它是重要的基石,因此不能怠慢。

「暦は、昔策定したときの下書きがあったよね」

“我们不是以前制定过日历的草案吗?”

そう言いながら静子は自分の行李(こうり)(竹や籐などで編んだ葛籠(つづらかご))をひっくり返した。彼女の下書きを元にした草案は以下の通りとなる。

说着,静子翻了翻她的行李箱。以下为根据她的草案制定的草案。

第壱章 暦法

第一章 日历法

第壱条 季節が一巡する日数を1年と定める。日が上り、沈んだ後、再び上るまでを一日とする。

第一条 规定一年为季节逐一循环的日数。 上升和下降后再度上升为一天。

これにより、一年を365日と定める。但し、365日では僅かに季節と暦にずれが生じるため、閏年を設けてこれを調整する。

因此,将一年定为365天。 但是,因为365天的季节和历法略有偏差,所以设置闰年来调整这一点。

第弐条 閏年とは1年を366日とする年と定める。尚、365日の年を平年とする。

第二条 闰年指将一年定为366天的年份。 另外,闰年之外的年份被称为平年。

第参条 閏年となる年は、以下の規則で求められるものとする。

第三条 闰年是按以下规则计算的。

第参条ー第壱項 年数が4で割り切れる年は閏年とする。

第3条-第1款 年数能被4整除的年份为闰年。

第参条ー第弐項 年数が100で割り切れる年は平年とする。

第3条-第2款 年份数能被100整除的年份为平年。

第参条ー第参項 第弐項のうち、400で割り切れる年は閏年とする。

第3条-第3款 第2款中能被400整除的年份为闰年。

第肆条 1年を12分した一区切りを月と定め、1月から12月までとする。

第4条 规定一年分为12个月,将每个月视为一段。 一月至十二月。

第伍条 奇数月を31日とし、偶数月を30日と定める。

第五条规定奇数月为31天,偶数月为30天。

第伍条ー第壱項 2月を閏年の調整月とし、平年は29日、閏年は30日と定める。

第五条第一款规定2月为闰年调整月,平年为29天,闰年为30天。

第伍条ー第弐項 3月から5月までを春、6月から8月を夏、9月から11月を秋とし、12月から翌年2月までを冬とする。

第五条第二款规定3月至5月为春季,6月至8月为夏季,9月至11月为秋季,12月至次年2月为冬季。

第陸条 旧暦法の使用を、新暦法施行後10年間は認めるものとする。10年経過後は、如何なる文書も新暦法以外の使用を禁ずる。

第六条规定在新历法实行后的10年内,允许继续使用旧历法。10年后,任何文件都禁止使用新历法以外的历法。

「あ! 紀年法(きねんぽう)についても定めないとね。うーん……やっぱり皇紀(こうき)が馴染みやすいかな」

"啊!还要规定纪年法呢。嗯……皇纪好像比较常见。"

暦法の草案を纏めるにあたって、起点となる時点を定めていなかったことに静子は気付いた。

在起草历法草案时,静子注意到没有确定一个起点时间。

グレゴリオ暦を元にしているため、西暦が相応しいのだが、西洋の聖人の誕生日では受け入れにくい。

由于这是以公历为基础的,西元年份通常是合适的,但由于西方圣人的生日等原因不易接受。

そこで静子は天皇制と紐づいた皇紀を利用することにした。

因此,静子决定利用与天皇制相关的皇纪。

皇紀とは、正式名称を神武天皇(じんむてんのう)即位紀元(そくいきげん)と呼び、日本書紀を参考に日本が制定した紀年法となる。

皇纪是正式名称为神武天皇即位纪元,是日本参照《日本书纪》所制定的纪年法。

「暦法とは別に紀年法も制定しないとね。時刻法もいるかな」

"除了历法之外,还要制定纪年法。可能还需要时间法吧。"

別の紙を用意して、静子は紀年法と時刻法の条文を書き込む。彼女の案は以下の通りとなる。

静子准备了另一张纸,写下了纪年法和时间法的条款。她的提议如下:

第弐章 紀年法

第二章纪年法

第壱条 初代天子、神武天皇ご即位を以て紀元とする。

第一条以第一代天子神武天皇即位为纪元。

第弐条 即位年は最古の正史、『日本紀(にほんぎ)』より求める。

第二条即位年份按最古老的正史《日本纪》求得。

第参条 第壱、第弐条より、本年を皇紀二千二百三十四年とする。

第三条根据第一、第二条,今年为皇纪2234年。

第参章 時刻法

第三章时间法

第壱条 時刻の単位は『時』『分』『秒』と定める。1日は24時間とし、1時間を60分、1分を60秒と定める。

第一条规定时间单位为“时”、“分”、“秒”。一天为24小时,一小时为60分钟,一分钟为60秒。

第弐条 0時を正子(しょうし)、12時を正午(しょうご)と定める。

第二条规定0时为正子,12时为正午。

第参条 正子及び正午は、別途定める子午線(しごせん)を天道様が通過する時刻とする。

第三条 正子和正午时间的参考线是由天道先生确定的。

第肆条 時刻を十二支で数えることを、時刻法施行後10年間は認める。但し、10年経過後は如何なる文書も、時刻法以外の使用を禁ずる。

第四条 允许用十二生肖计算时间法十年。但10年后,除时刻法外,禁止使用任何文书。

「ふー、こんなものかな」

「呼,就这样吧。」

静子は条文を書き終えると、床に大の字になった。誤解の余地がない文章でルールを定めるのは予想以上に疲れた。

写完条文后,静子在床上躺下来。制定明确规定的条文比她预想的更累。

自然を相手に無心に体を動かしている方が、性に合っているとさえ思う。しかし、日ノ本が平和になれば、こうした事務処理はもっと増えることだろう。

与自然无心地动弹身体似乎更适合我。但如果日本变得和平起来,这样的行政任务会变得更多。

「これの清書をお願いね」

「请帮我把这份清稿提交。」

静子は書類を近侍に託す。信長へ提出するには草案を元に、正式な書類へと書き起こす作業が必要となるが、それは静子の役割ではない。

静子把文件交给近侍。为了提交给信长,需要把草案变成正式文件,但这不是静子的职责。

本来であれば右筆(ゆうひつ)と呼ばれる文官が担うのだが、静子邸では書類を担当する文官の誰かが清書し、筆頭文官が確認する運びとなる。

本来应该由叫做右筆的文官担任,但在静子府邸中,文官负责文件的清洗,首席文官进行确认。

それを静子が最終確認し、問題ないと判断されれば信長へと提出される。

静子会做最后的确认,确认无误后提交给信长。

面倒な手順を経るが、信長も今や多くの決裁を行う身。信長に提出する書類は、彼がそのまま使える状態に仕上げるのが望ましい。

这是一项繁琐的程序,但信长现在已经做出很多决定。提供给信长的文件最好是他可以直接使用的状态。

「面倒だけれど、差し戻されれば、余計な手間もかかるしね」

「虽然很繁琐,但如果被否决,将需要更多的时间和精力。」

自分を労るように静子は肩をもむ。

静子像关心自己一样揉了揉肩膀。

数日後、静子の草案を元に正式な書類が、信長の許に届けられた。

几天后,以静子的草案为基础,正式文件被交到了信长手中。

暦法全般の正式な書類が出来上がる前、静子は日々届けられる文に目を通していた。

在所有日历法的正式书面文件完成之前,静子一直在查看每天送来的文件。

冬は降雪により主要な街道以外が通行不能となり、人々の往来が激減する。このため、静子の在宅を見越した文が届けられることが多い。

冬季除主要道路外,其它道路因降雪而被封闭,人们的活动量急剧减少。因此,经常会有文件送到静子的家中。

最初に目にした文の差出人は上杉謙信であった。内容を一言で要約するなら『禁酒令により体調が良くなった』である。

最初看到的文本的寄件人是上杉謙信。简单概括其内容则为“禁酒政策让健康状况有所改善”。

「痒みも治まったんだ。アルコール依存症の離脱期は脱したと見て良いかな」

“瘙痒也消退了。可以认为我已经脱离了酒精依赖的戒断期了。”

アルコール依存の状態から酒量の減量もしくは断酒した際に生じる、一連の症状を指して離脱症状と呼ぶ。(注:アルコールのみとは限らない)

戒酒或减量后从酗酒状态出现的一系列症状称为戒断症状。(注:并非仅限于酒精)

離脱症状は人によって異なるものの、初期は手や全身の震え、発汗や集中力の低下、幻覚や幻聴などが出る事もある。これらを早期離脱症状と呼ぶ。

戒断症状因人而异,初期可出现手或全身颤抖、出汗、注意力下降、幻觉或幻听等。这些被称为早期戒断症状。

対する後期離脱症状は、飲酒をやめてから2〜3日後に現れる。幻視や見当識障害、異常興奮や発熱、発汗、震えなどの症状を発する。

相对应的后期戒断症状在停饮两到三天后出现。会出现幻视、定向障碍、异常兴奋、发热、出汗和颤抖等症状。

これらの離脱症状は強い不快感を伴い、これから逃れるために酒を飲み続けるという悪循環に陥りやすい。

这些戒断症状伴随着强烈的不适感,容易陷入想通过继续饮酒来逃脱的恶性循环。

謙信は手足の浮腫(むく)みの他に、全身の痒みも訴えていたが、それらが治まったということは、離脱期を抜けきったと言えるだろう。

謙信除了手脚浮肿外,还抱怨全身瘙痒。这些现在得到缓解,说明他已度过了戒断期。

文に書かれた近況には『近頃は食事が美味く感じる』と記されていた。

文中还提到“最近美食的感觉变得更好了”。

彼の健康については今後も注視が必要だが、静子のように永久禁酒令を言い渡すほどに深刻な状況では無さそうだと彼女は思った。

对他的健康状况仍需密切关注,但她认为形式并没有像静子那样严重,需要施行永久禁酒令。

「善哉(よきかな)、善哉。謙信の後継者争いは顕在化していないけど、その内上杉景虎陣営に動きがありそうだよね」

“好极了,好极了。虽然上杉家的继承问题尚未明朗,但上杉景虎的阵营内似乎已经有些动静了啊。”

家督争いは暫く待って欲しい。そうは思うが、北条家が滅びに瀕した際、彼らがどのような行動をとるかは未知数だ。

暂时不要让家督争夺事件发生。虽然我这么想,但当北条家陷入灭亡时,他们会采取什么行动仍是未知数。

しかし、それを抑え込むのが家長である謙信の役目だ。その為にも彼には健康を維持して貰わねばならない。不摂生をした期間が長いため、長寿は期待できない。

然而,抑制这种情绪的责任在于家长謙信。因此,他必须保持健康。长时间的不良生活方式意味着他不能期待长寿。

それでも享年49ではなく、70まで引き伸ばせれば、十分歴史は変わり得る。

即使如此,如果可以将寿命从49年延长到70岁,历史仍然可以发生显著改变。

反対派にも少しずつ利を与え、懐柔と取り込みを行えば、他者の土地を奪わずとも自国を富ませる方向へと舵を切る可能性があった。

如果给反对派一些好处并收编他们,可能会选择不侵略他人的土地而使自己的土地繁荣起来。

(ふーむ。未だ謙信が健在で、暫くはこちらの指示に従ってくれるという状況は有難い。雪解け頃からインフラ整備も開始される見込みだし……ただ日本海側では雪の降る期間が長いから、もうしばらく時間がかかりそうよね)

“嗯,謙信依然健在,遵循我的指示还是很愉快的事情。从融雪期开始开始基础设施建设也有望开展……不过,因为日本海这边雪期很长,所以会需要一些时间。”

現代のような除雪用重機は存在しない。仮に除雪できたとしても、雪を捨てる土地も確保できない。雪を運ぶためにも、整備されたインフラが必要となる。

现在使用除雪设备无济于事。 即使可以清除雪,也无法保证处理雪的土地。 运输雪还需要基础设施的支持。

現段階で機械化された除雪機など望むべくもない。燃料の確保や、寒冷地での動作試験などクリアすべき課題も多い。

现阶段,没有机械化除雪设备。 还有许多问题需要解决,例如燃料的获取和在寒冷地区的操作测试。

いずれは開発したいと考えてはいるが、他に優先すべき案件を抱えているため目処が立たない。

虽然有开发需求,但由于其他重要任务的存在,还没有任何进展。

「まあ、細かい話は私がするよりも、実際に監督する足満おじさんが適任でしょう。往々にして言葉が足りないけれど……」

"嗯,比起我详细地解释,我认为实际监督的足满叔叔更适合。 他有时可能话不多……"

謙信の文を片付けると、静子は次の手紙を手に取った。差出人の名前が前久だったので、何かあったのかと思い、内容を真剣に吟味する。

排完謙信的信后,静子拿起下封信。发件人名字是前久,所以她想知道发生了什么,并认真审查了信的内容。

しかし、読み進むにつれて静子の眉間に皺が刻まれる。

然而,随着阅读的深入,静子的眉头皱了起来。

「公家の調略をするから、食材やら何やらを送ってくれ、というのは分かる。けれど、最後の……何で猫を送って欲しいの? 娘に開耶(サクヤ)(前久が飼っているターキッシュアンゴラの名前。木花開耶姫(コノハナサクヤビメ)から命名)を取られがち? そこまでは面倒見切れないよ……」

“虽然我知道你想订出家中的饮食,但是,最后一件事情是什么......你为什么想要寄猫? 要把木花开耶姬(这是前久养的土耳其安哥拉猫的名字)拿走? 我处理不了这些......"

最近、ターキッシュアンゴラが妻と娘に懐いてしまい、相手をしてくれなくて寂しいから新しい猫を送ってくれ、と文には雅(みやび)な筆致で切々と綴られていた。

最近,土耳其安哥拉猫对妻子和女儿很亲近,因为它们不理睬我很寂寞,所以我用雅致的笔法写了一封信,恳求你们送来一只新猫。

「まさか、史実で島津義弘に送った文と同様の文を頂けるとは。歴史的に貴重かな?」

“没想到你会收到和史实中送给岛津义弘相同的信。这在历史上很珍贵吧?”

史実では、島津義弘が前久に猫を贈り、その返礼に「猫は夫人に取られて、自分の手元にいない。娘も切望しているが知らぬ。まずは自分の分が欲しい」との文を送ったという逸話が存在する。

史实中,据说岛津义弘曾经送了一只猫给前久,而作为回礼,“猫被夫人取走了,没法在身边。虽然女儿非常想要,但她不知道。首先,我想要自己的那只猫。”这是一个存在的传说。

暗に娘の分もねだる前久の愉快な一面を窺わせる文書だが、頼まれる側は堪ったものではない。

这份文书透露出前久求好事者要女儿分的有趣一面,但被要求者并不好办。

「そうそう都合良く子猫を確保なんて出来る訳ないよね……」

“不可能随便就抓到方便的小猫啊……”

繁殖期に入ったばかりの現状ではまず無理だろうし、仮に子猫が手配できても前久に懐くかは猫次第となる。理想を言えば、前久と子猫を引き合わせ、彼が見初めた子猫を譲るのであれば間違いがない。

现在正是繁殖期,很难办到,即使可以安排到小猫,也要看它是否亲近前久。如果可以让前久和小猫见面,他会挑选出他所喜欢的小猫,那就不会有错了。

とはいえ前久は既に関白の地位にあり、おいそれと呼びつける事など出来ようはずもない。また、下手なものを送っては織田家の面目にも関わる。前久自身が心得ていても、周囲が同じように捉えるとは限らない。

然而,前久已经担任关白的职位,不可能轻易地召唤他。此外,送错东西会影响織田家的面子。即使前久本人明白了这个事情,周围的人也未必能理解。

「うん。次だ次」

"好的,接下来是下一封信。"

考えることを放棄した静子は、次の文を手に取った。

放弃思考的静子拿起了下一封信。

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